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2008年 個展に寄せて

 


                          門脇佳吉   上智大学名誉教授

 今度の作品展は、特別に大きな期待を私の心に呼び覚まします。といいますのは、道子さんの私信によれば、私の所属するイエズス会のローマのVia Venetoにある修道院が描かれているからです。私は何べんもそこに行ったことがあります。道子さんは、院長様から特別な許可をもらって、そこに夏の暑い夜明け前に出かけていき、誰一人いない修道院内を毎日三時間もスッケチし、「それはそれは静かで泣きそうに感激いたしました」、と言います。おそらく、その絵の前に立つ人の心は、イエズス会の修道院特有の静寂に打たれるに違いないと思います。

 前回の展覧会を見たとき、鮮やかな明るい碧色が大胆に画面いっぱいに広がり、豪胆な構図と共に私の魂を震撼させました。それは、今までにない斬新さと躍動感に溢れていました。さて、今年の展覧会はどんな感動を与えてくれるでしょうか。大きな期待で私の心は膨らみます。

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